広報こもれび新聞２０１７年１１月号掲載

１０月３１火曜日。秋川消防署、地元自治会、こもれびの郷職員、秋多中学校、取引業者そして利用者の皆様といった様々な立場の方々にご参加いただき、本年の総合防災訓練を行いました。

本年は立川断層を震源とするＭ７・３の地震が発生し、あきる野市は震度６程度という想定で訓練を行ないました。十四時に開始した訓練は、地震発生、終息後の被害状況確認、避難誘導、その後の火災発生、職員による消火といった一連の流れで進みました。

災害発生時の勤務者リーダーと想定された生活介護課のチーフは、キビキビと各員に適切な指示を出し、調理スタッフは六人が協力して実際の消火設備を使用して消火放水訓練も行ないました。これをサポートする他のスタッフもそれぞれが手順どおりに行動し役割を果たし、とても頼もしく思いました。今後も日頃の訓練をしっかりと行い、万が一の場合の備えとしたいと考えております。

施設設備の機能向上、とりわけ災害時などの安全対策の為の設備更新工事が始まっております。

工事のポイントは緊急時・災害時の自動発電装置の更新です。以前のものは、火災時のスプリンクラー（自動散水設備）稼動用の電源のみでしたが、今回の更新では利用者様の安全を確保するために、電灯や電源などのその他の電気使用にも耐えうる容量のものに更新することとなりました。
これにより火を消すスプリンクラー以外にも、エアマット、ナースコール、そして数は少ないですがエアコンも動かすことも可能となります。

激甚災害等は問題外ですが、水害や火災には対策が済んでおりますので、恐らく一番困るのは何らかの事故による送電ストップです。

昨今の災害を見ますに、最低でも３日ほどの時を稼ぐ必要がありますので、今回この対策が完了すれば、一応の供えが出来たことになります。
年末までの工事中は利用者・ご来園者の皆様には今しばらくご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、ご協力よろしくお願いいたします。

１０月初旬、恒例の日帰り旅行で山梨方面へ行って参りました。
山中湖方面のドライブ、富士マウントホテルでのお食事、最後は勝沼でぶどう狩りと秋を満喫してまいりました。
長距離の移動など様々な制約もあり、どうしても利用者様全員をお連れすることは出来ませんが、外出の貴重な機会として今後も続けてまいります。

認知症ケアの基本的視点～認知症の人の理解と対応～という研修を受けました。この研修を受けて、フランスのイヴ・ジネストさんが考案した認知症ケア「ユマニチュード」を思い出しました。

ユマニチュードとは介護される側とする側がよい絆を結ぶことにより、人としての尊厳を取り戻し、「ここは安全で安心してよい所だ。」という気持ちになり、結果的に介護看護をスムーズに行なえるようになるというものでした。ここでいう絆とは、説明ではなく、眼差し、触れること、大切に思っていることを伝えること、人が幼いころに受けた人間関係の築き方の学び直しでした。目線や手の取り方、やさしい声での声かけは言葉を理解できなくても通じ合うもので、誰もがよいコミュニケーションの取り方だとわかるのに、介護・看護をすることばかりに気を取られているとなおざりになってしまうと気づかされました。

接する時間が短いと人間関係もうまく結べないまま、或いは拒否の理由がわからないままＡＤＬを落とさない為のケアを行なうことがあります。拒否の裏側には自分を守る為であったり、寂しさであったりと様々な心情があることを教わりました。そして介護される人、介護する人である前に、人と人であることを忘れてはいけないと学びましたので、絆を深める為、ひいてはより良い介護の為に、入居に至るまでの色々な人生、人格形成された情報を共有する大切さを感じました。

<施設長より>
こもれびの郷では正職のみならず、パート職員の皆さんにも研修機会を多く設けております。また、今回の研修報告から、以前行なったユマニチュードの研修が今回の研修にも活かされ、重層的な学びとなったことを嬉しく思います。